2026年版・2-5

2-5 薬の働く仕組み(薬物動態・剤形)の一問一答

登録販売者試験「第2章:人体の働きと医薬品」から、2-5 薬の働く仕組み(薬物動態・剤形)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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アプリ形式で解く(全470問) 第2章:人体の働きと医薬品の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-5

薬物動態の4過程(ADME)に含まれないものはどれか。

  • ①吸収 (Absorption)
  • ②分布 (Distribution)
  • ③代謝 (Metabolism)
  • ④合成 (Synthesis)
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正解 ④合成 (Synthesis)
解説
薬物動態は、薬が体内でたどる過程を表す用語で、吸収(Absorption)、分布(Distribution)、代謝(Metabolism)、排泄(Excretion)の4つの過程(頭文字をとってADME)で説明されます。
1. 吸収:薬の成分が体内、特に血液中に取り込まれる過程。
2. 分布:吸収された成分が血流に乗って全身の組織へ運ばれる過程。
3. 代謝:主に肝臓で成分が化学的に変化する過程。
4. 排泄:代謝された成分等が尿や便として体外へ排出される過程。
「合成」は薬物動態の4過程には含まれません。

他の選択肢の誤り:
・吸収:飲んだ成分が消化管などから血液中へ取り込まれる過程で、この4つの過程の最初に置かれます。
・分布:血流に乗って全身の組織へ運ばれる過程を指し、作用する場所に届くかどうかを左右します。
・代謝:主に肝臓で成分が化学的に変えられる過程で、効き目の強さや持続時間に関わります。残る一つは体外へ出される排泄であり、体内で新たに作り出す働きは含まれません。
問22-5

消化管からの吸収と「初回通過効果」に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①経口投与された薬は、小腸で吸収された後、肝臓を全く経由せずに全身へ回っていく。
  • ②肝臓で代謝されることにより、薬の有効成分の多くが不活性化されることを初回通過効果という。
  • ③初回通過効果を受けると、薬の効き目はかえって強く現れるようになるとされている。
  • ④坐剤は、直腸から吸収された後も、経口薬と全く同様に必ず肝臓で代謝されてから全身に分布する。
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正解 ②肝臓で代謝されることにより、薬の有効成分の多くが不活性化されることを初回通過効果という。
解説
経口投与された薬は、消化管で吸収された後、門脈という血管を通って必ず肝臓を通過してから全身循環に入ります。この際、肝臓の代謝酵素によって薬の成分の一部が分解・不活性化されてしまい、全身に届く有効成分の量が減ってしまいます。この現象を初回通過効果といいます。

他の選択肢の誤り:
・「肝臓を全く経由せずに全身へ回る」:小腸で吸収された薬の成分は、門脈を通って必ず肝臓を経由してから全身循環に入るため、肝臓を経由しないというのは誤りです。
・「効き目はかえって強くなる」:初回通過効果を受けると、肝臓で成分の一部が分解されてしまうため、全身に届く有効成分は減り、効き目はむしろ弱まります。
・「坐剤も経口薬と全く同様に必ず肝臓で代謝される」:坐剤(座薬)は直腸内壁の粘膜下に豊富に分布する静脈から吸収され、肝臓を経由せずに全身循環に入りやすいという特徴があり、経口薬と全く同じ経路をたどるわけではありません。
問32-5

薬の代謝と排泄に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①代謝とは、体内で薬の成分が化学的に変化することであり、主に腎臓で行われている。
  • ②排泄とは、薬の成分が体外へ排出されることであり、主に肝臓で行われる。
  • ③腎機能が低下している人では、薬の排泄が遅れ、血中濃度が高い状態が続きやすい。
  • ④代謝された薬の成分は、必ず元の成分よりも毒性が強くなるとされている。
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正解 ③腎機能が低下している人では、薬の排泄が遅れ、血中濃度が高い状態が続きやすい。
解説
薬の成分の多くは、最終的に腎臓で尿中へ排泄されます。腎機能が低下していると、この排泄が滞り、体内に薬の成分が長くとどまって血中濃度が高い状態が続きやすくなるため、副作用のリスクが高まります。

他の選択肢の誤り:
・「代謝は主に腎臓で行われる」:薬の成分が化学的に変化する代謝は、主に肝臓で行われます。腎臓が主に担うのは排泄です。
・「排泄は主に肝臓で行われる」:薬の成分が体外へ排出される排泄は、主に腎臓(尿中)で行われます。肝臓が主に担うのは代謝です。
・「代謝された成分は必ず毒性が強くなる」:代謝によって多くの場合は成分の作用が弱まったり消失したりしますが(解毒)、まれに代謝によって作用が強まる(活性化される)成分もあり、「必ず毒性が強くなる」というのは誤りです。
問42-5

内服薬の剤形の特徴として、正しいものはどれか。

  • ①散剤(粉薬)は、錠剤に比べて表面積が小さいため、吸収されるのが遅い。
  • ②カプセル剤は、刺激の強い薬物等をカプセルに閉じ込め、飲みやすくしたものである。
  • ③腸溶性製剤は、胃の中で早く溶けて効果を発揮するように設計されているとされる。
  • ④口腔内崩壊錠は、口の中で溶かした後、水なしで飲み込んではいけないとされている。
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正解 ②カプセル剤は、刺激の強い薬物等をカプセルに閉じ込め、飲みやすくしたものである。
解説
カプセル剤は、味やにおいが強い薬物や、胃を刺激しやすい薬物などをゼラチン等の皮膜で包み込むことで、服用しやすくするとともに、成分が溶け出すタイミングを調整できる剤形です。

他の選択肢の誤り:
・「散剤は表面積が小さく吸収が遅い」:散剤は粉末状で表面積が大きいため、錠剤に比べて溶けやすく、吸収も速いのが特徴です。
・「腸溶性製剤は胃の中で早く溶ける」:腸溶性製剤は、胃酸によって成分が壊れたり、胃を刺激したりするのを防ぐため、胃では溶けずに腸で溶けるように設計されています。
・「口腔内崩壊錠は水なしで飲み込んではいけない」:口腔内崩壊錠は、口の中で唾液によって速やかに溶け、水がなくてもそのまま飲み込める設計になっている剤形です。
問52-5

外用薬の適用部位と吸収に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①点眼薬は、涙管を通って鼻粘膜から吸収され、全身作用を示すことがある。
  • ②皮膚の角質層が厚い部位ほど、薬の吸収が良くなるとされている。
  • ③傷口や粘膜などのバリア機能が低下した部位からは、薬は吸収されにくい。
  • ④貼付剤(湿布薬)は、皮膚表面のみに作用し、血管内には移行しない。
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正解 ①点眼薬は、涙管を通って鼻粘膜から吸収され、全身作用を示すことがある。
解説
点眼薬の成分は、目から涙とともに涙管(鼻涙管)を通って鼻の粘膜に達し、そこから吸収されて全身に影響を及ぼすことがあります。目薬を使用しただけでも動悸などの全身性の副作用が現れることがあるのは、この仕組みによるものです。

他の選択肢の誤り:
・「角質層が厚い部位ほど吸収が良くなる」:皮膚からの吸収は、角質層が薄い部位ほど良くなります。角質層が厚い部位ほど吸収は悪くなります。
・「バリア機能が低下した部位からは吸収されにくい」:傷口や粘膜などバリア機能が低下している部位は、健康な皮膚に比べてむしろ薬の成分が吸収されやすくなります。
・「貼付剤は血管内に移行しない」:貼付剤の成分も皮膚を通して血管内に移行することがあり、全身作用を目的として使用される貼付剤(喘息治療薬のテープ剤等)も存在します。
問62-5

薬の主作用と副作用に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①抗ヒスタミン成分による「眠気」は、風邪薬としては副作用だが、睡眠改善薬としては主作用となる。
  • ②薬の副作用は、常に人体にとって有害なものであり、利用価値のあるものは全く存在しない。
  • ③主作用と副作用は互いに全く別のメカニズムで起こるものであり、両者に関連性は一切ないとされる。
  • ④一般用医薬品では、主作用のみが現れるよう完全にコントロールされているものとされている。
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正解 ①抗ヒスタミン成分による「眠気」は、風邪薬としては副作用だが、睡眠改善薬としては主作用となる。
解説
薬の作用のうち、治療の目的に合った作用を主作用、それ以外の作用を副作用と呼びます。同じ抗ヒスタミン成分でも、風邪薬として使う場合は眠気は望ましくない副作用ですが、睡眠改善薬として使う場合は眠気こそが期待される主作用になります。このように、薬の目的が変われば主作用と副作用の関係が入れ替わることがあります。

他の選択肢の誤り:
・「副作用に利用価値のあるものは全く存在しない」:抗ヒスタミン成分の眠気のように、ある薬の副作用が別の目的で有用な作用として利用される例があり、この記述は誤りです。
・「主作用と副作用に関連性は一切ない」:主作用と副作用は、同じ成分が持つ作用のうち、治療目的に合うかどうかで分類されたものであり、無関係に起こる別々の現象ではありません。
・「主作用のみが現れるよう完全にコントロールされている」:どのような医薬品であっても、主作用に伴って一定程度の副作用が生じる可能性があり、主作用のみが現れるよう完全にコントロールすることはできません。
問72-5

全身作用と局所作用に関する記述として、正しい組み合わせはどれか。

  • ①内服薬:消化管から吸収されて循環血液中に入り、全身作用を示す。
  • ②点鼻薬:鼻粘膜に適用し、主に全身作用を目的として使用される。
  • ③坐剤:直腸内で溶けて局所に作用するのみで、全身作用は示さない。
  • ④うがい薬:口腔・咽頭粘膜から吸収され、全身作用を示すことを主目的とする。
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正解 ①内服薬:消化管から吸収されて循環血液中に入り、全身作用を示す。
解説
内服薬は、消化管から吸収された成分が血液の流れに乗って全身に運ばれることで効果を発揮する、全身作用を目的とした剤形です。

他の選択肢の誤り:
・「点鼻薬は主に全身作用を目的とする」:点鼻薬は主に鼻づまりなど鼻の局所症状を改善する局所作用を目的として使用されるものであり、全身作用を主目的とはしていません(結果的に一部が吸収されて全身作用が現れることはあります)。
・「坐剤は局所作用のみで全身作用は示さない」:坐剤には、痔の薬のように局所作用を目的とするものだけでなく、解熱鎮痛薬のように全身作用を目的とするものもあります。
・「うがい薬は全身作用を主目的とする」:うがい薬は口腔や咽頭の粘膜に直接作用させ、細菌の繁殖を抑えるなどの局所作用を主目的として使用されるものです。
問82-5

薬の相互作用における「相乗効果」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①2種類の薬を併用した時、互いの作用を打ち消し合い、効果が弱くなること。
  • ②2種類の薬を併用した時、それぞれの作用の足し算以上の効果が現れること。
  • ③2種類の薬を併用した時、単純に作用が足し算された効果が現れること(相加効果)。
  • ④2種類の薬を併用した時、それまでには全くなかった新しい作用が現れることを指す。
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正解 ②2種類の薬を併用した時、それぞれの作用の足し算以上の効果が現れること。
解説
これを相乗効果(シナジー効果)といいます。相乗効果が起こると、それぞれの薬を単独で使った時の効果を単純に足し合わせた以上の強い効果が現れ、副作用のリスクも高まりやすくなります。

他の選択肢の誤り:
・「互いの作用を打ち消し合い効果が弱くなる」:これは相乗効果ではなく、拮抗作用と呼ばれる別の現象の説明です。
・「単純に足し算された効果(相加効果)」:これは相乗効果ではなく相加効果の説明です。相乗効果は足し算以上の効果が現れる点で相加効果と区別されます。
・「全く新しい別の作用が現れる」:相乗効果は、それぞれの薬が本来持つ作用がより強く現れる現象であり、全く別の新しい作用が現れることを指す言葉ではありません。
問92-5

小児や高齢者における薬物動態の特徴として、正しいものはどれか。

  • ①新生児は肝機能が未発達なため、薬の代謝能力が成人と比べて高いとされる。
  • ②高齢者は体内の水分量が少なく脂肪分が多いため、脂溶性薬物の作用が持続しやすい。
  • ③小児は皮膚が厚くバリア機能が高いため、外用薬の吸収が悪いとされている。
  • ④高齢者は血漿タンパク質が多いため、薬と結合しやすく、効き目が弱くなるとされる。
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正解 ②高齢者は体内の水分量が少なく脂肪分が多いため、脂溶性薬物の作用が持続しやすい。
解説
加齢に伴い体内の水分量が減り、相対的に脂肪の占める割合が増えると、脂に溶けやすい性質(脂溶性)を持つ薬の成分が脂肪組織に蓄積されやすくなり、体内からなかなか抜けずに作用が長く持続する傾向があります。

他の選択肢の誤り:
・「新生児は代謝能力が成人より高い」:新生児は肝機能が未発達なため、薬の代謝能力は成人に比べてむしろ低く、薬の影響を強く受けやすい状態にあります。
・「小児は皮膚が厚く外用薬の吸収が悪い」:小児は皮膚が薄くバリア機能が未熟であるため、外用薬の成分がむしろ吸収されやすい傾向があります。
・「高齢者は血漿タンパク質が多く効き目が弱くなる」:高齢者は血漿タンパク質(アルブミン等)の量が減少する傾向があり、薬と結合していない遊離型の成分が増えることで、効き目がむしろ強く現れやすくなります。
問102-5

シロップ剤の特徴と使用上の注意に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①糖分を多く含むため、細菌が繁殖しにくく、開封後も長期間保存できる。
  • ②成分が容器の底に沈殿していることがあるため、服用前によく振る必要がある。
  • ③小児が好む味付けがされているため、小児の手の届く場所に保管してよい。
  • ④水なしで服用するために粘度が高くされており、計量せずに容器から直接飲む。
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正解 ②成分が容器の底に沈殿していることがあるため、服用前によく振る必要がある。
解説
シロップ剤は液体の中に成分が均一に溶けきっていない場合があり、時間が経つと成分が底に沈殿することがあります。そのまま服用すると成分の量にばらつきが出てしまうため、服用前によく振って中身を均一にする必要があります。

他の選択肢の誤り:
・「糖分が多く細菌が繁殖しにくく長期保存できる」:シロップ剤は糖分を多く含むため、むしろ細菌が繁殖しやすく、開封後は冷蔵庫で保管し、早めに使い切る必要があります。
・「小児の手の届く場所に保管してよい」:小児が好む味付けがされているからこそ、誤って大量に飲んでしまう誤飲事故を防ぐため、小児の手の届かない場所に保管する必要があります。
・「計量せずに容器から直接飲む」:シロップ剤は、付属の計量カップやスプーン等を使って用法・用量どおりに正確に計量してから服用する必要があり、目分量で容器から直接飲むことは適切ではありません。

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